【建仁寺】雨の日が似合う、美術館のようなお寺 ※10月9日再編

建仁寺 庭、大書院 京都のお寺・神社 
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建仁寺 京都最古の禅寺

建仁寺ホームページ

由緒 建仁2年(1202年)の開創。開山は栄西禅師。
創建当時は天台、密教、禅の三宗の場でしたが、第十一代の時から、純粋な臨済禅の道場となりました。

栄西禅師は、比叡山で天台密教を修め、2度宋(中国)へ行き、日本に禅を伝えた人。また、中国から茶種を持ち帰り、日本で栽培することを奨励し、喫茶の方法を普及した「茶祖」としても知られています。

アクセス

電車でお越しの方
・ 京阪電車「祇園四条駅」より 徒歩 7分
・ 阪急電車「河原町駅」より 徒歩10分
バスでお越しの方
・JR京都駅より 市バス 206系統・100系統
・市バス「東山安井」より 徒歩5分
・市バス「南座前」より 徒歩7分
・市バス「祇園」より 徒歩10分
・「清水道」より 徒歩10分
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お庭の魅力 庭があらわす禅の世界

建仁寺には、3つの魅力的な庭があります。

『○△□乃庭』

建仁寺 庭

『単純な三つの図形は宇宙の根源的形態を示し、禅宗の四大思想(地水火風)を、
地(□)水(○)火(△)で象徴したものとも言われる』

 

とリーフレットに記載されるように、余計なものの無い、シンプルなお庭です。丸い、木の足元、白砂、四角の井戸、ちょうど向かいのお堂の軒が三角に張り出し、庭の表す、○、△、□を見つけることができました。
宇宙の根源を眼前の庭に集めて見せようとデザインされているなんて、驚きます。そしてこの小さな庭で宇宙とは。
「宇宙は常に大きくなっている、でも境目はあるのか分からない、境目が分からないものに大きさの概念はないのかもしれない。
ではこの庭が宇宙を表すことも、確かにできそう。」なんて、禅寺っぽい思索をしてみました。
皆さんも、色々な角度から、○△□を探してみてください。

『大雄苑』

建仁寺 大雄苑

重要文化財の建物、『方丈』。その前に広々と開けたお庭が『大雄苑(だいおうえん)』です。

『白砂に緑苔と巨岩を配した「大雄苑」称される枯山水の前庭』

とある通り、悠然として、おおらかなお庭です。縁に腰かけて、静かにお庭を眺めるだけの時間を過ごしたくなります。
私が訪れた日は雨でしたが、その分観光の方が少なく、ゆっくりと過ごせました。雨の日、お勧めです。

『潮音庭』

建仁寺 潮音庭

大書院と小書院の間に位置する、緑豊かなお庭です。

『潮音庭は、中央に三尊石その東には座禅石、廻りに紅葉を配した枯淡な四方正面の禅庭であります。』

本当にどの角度から眺めても美しいお庭です。私が訪れた7月半ばは、雨を受けて光る木々と、苔の緑がきれいでした。

庭越しに、大書院、小書院を眺めるのが、またすてきです。
お庭を贅沢な額縁にして、『風神雷神図屏風』や襖絵『船出』を鑑賞してみてください。

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襖絵、屏風絵、天井画の魅力 まるでギャラリー、色の世界

『雲竜図』

建仁寺 雲竜図

海北友松にあまよって桃山時代に描かれた方丈襖絵「雲竜図」「花鳥図」「竹林七賢図」「琴棋書画図」「山水画」(すべて重要文化財)

写真はその内の「雲竜図」。

『風神雷神図屏風』

俵谷宗達(たわらやそうたつ)の晩年の最高傑作。二曲一双の屏風全面に金箔を押し、右に風神、左に雷神が描かれている。

風神雷神図

『双竜図』

法堂内の『双竜図』は畳108畳分ある、大きな天井画です。法堂の建物も大きな柱が見事。
天井絵は、創建800年を記念して2002年、小泉淳作画伯により描かれたもの。

建仁寺 双竜図

 

上記3つの襖絵、屏風絵は高精細デジタル複製

『船出』

建仁寺 船出 

 

『小書院にある襖絵。2014年に奉納された。ベトナムの風景から着想を得たという穏やかな水辺を描く。』

この絵は、染色作家鳥羽美花の作品だそう。鮮烈な青が目に鮮やかです。

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『禅』その道を究めようとした人たちの道場

 

臨済禅師『喝』

『禅』ってなんだっけ?

『仏教の一派。南インド出身で中国に渡った達磨僧を租とし、座禅を基本的な修行形態とする。』

座禅を組んで、仏のいう「悟り」を得る修行をする宗派、ということですね。

『禅宗は「不立文字」(ふりゅうもんじ)を原則とする。』

文字、言葉の上には真実の仏法がない、という考え。このため、禅宗では中心的経典を立てず、
師資相伝(相承)を重視、臨機応変な以心伝心の方便(衆生を教え導く巧みな手段)を用いたりする。

非常に、簡略化して説明すると
《「悟り」は個人で体得するもの。だから、師匠とのやり取り(問答)をヒントに、座禅と修行で「悟り」を目指しましょう。》

こういった仏教の一派、ととらえたら良いかと思います。

『臨済宗の開祖臨済義玄が、禅の神髄を端的にしめした『喝』。喝は物事の意味を示さないが、四つの働きがある。

一、煩悩、妄想の迷いを断ち切る喝

一、目覚めよ、と、ふるいたたす喝。

一、かかってこい、と本気にさせる喝。

一、平常心是れ喝、と大きな喝。

お寺にある説明書きより

 

いかがですか?こじんまりとした境内にたくさんの見どころが詰まっています。お庭越しに屏風絵や襖絵を眺めると、全体の美しさに息をのみます。お庭を含め、計算された「美」。ゆっくりと腰かけて眺めていたくなります。特におすすめなのが雨の日。
雨音を聞きながら、生き生きする庭と座敷の絵を眺めてみてください。心がゆったりと、ほぐれていきます。

禅の教えは、きちんと理解するには、かなりの年数を要するものかもしれません。「禅問答」という言葉は、抽象的で分かりにくいものの例えとされるぐらいですので。
でも、この空間で、自分の来し方、行く末を思い、自分の軸になる生き方や、自分の心地よいあり方、周りの人のこと、ゆっくり、思いめぐらせてみるのも一興かもしれません。

さらに興味のあるかたは、境内中にある、「両足院」へ行かれてみては。座禅をさせてもらえるようですよ。

両足院ホームページ

 

 

 

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