【平家物語】怒れる清盛、諭す重盛【アニメ3話】

びわ 平家物語

アニメ「平家物語」の第三話の終盤、鹿谷の陰謀(ししがたにのいんぼう)に怒りを露わにした、清盛。天皇家に兵を向けてしまえば、天下の一大事です。武装した兵たちが集まる西八条の屋敷に、急ぎ駆け付けた重盛はどうするのでしょう。

 

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清盛を止められたのは、重盛ただ一人

仏教・儒教・神国思想を総動員 父、清盛を諭す

ものものしく武装した人々の中に、烏帽子、直衣の姿で現れた重盛。

父の前に座して、太政大臣にまでのぼった人が、甲冑に身を固めるとは礼儀に背くのではないか、まして出家の身であるのにと、重盛は話しはじめます。

巻第二、「教訓状」より烽火之沙汰 2

烽火之沙汰 1

訳文
「ましてや、父上は先祖にもまだ例のない太政大臣という最高の官を極められ、この重盛も、周知のように無才暗愚の身ながら、大臣の位にのぼりまいた。そればかりでなく、全国の半ばをこえる国郡がわが一門の所領となり、荘園はことごとく一家の思いのままになっております。これこそ世にまれな朝恩ではないでしょうか。いま、これらのばく大な御恩をお忘れになって、無法にも法皇を幽閉し奉ろうとなさることは、天照大神、正八幡宮の神慮にもそむくことになるでしょう。日本は神国です。神は非礼をうけいれなさいません。ですから、法皇の思いたたれたことは、なかば道理がないわけではありません。とくにこの一門は、代々の朝敵を平定して、国内の反乱を鎮めたことは、ならびない忠節ではありますが、その恩賞に誇るところは、傍若無人ともいうべきでしょう。」
「これは法皇の方に御道理がありますので、かなわぬまでも、院の御法住寺殿を守護し申し上げようとぞんじます。(略)その(法皇の)恩の重いことを考えますと、千、万の玉の重さにも超え、その恩の深さは、幾度も染めあげた紅の色にもまさりましょう。(略)そうなりますと、重盛の身に代わり、命に代わろうと誓っている侍どもが、少々おりましょう。それらを召しつれて院の御法住寺殿を守護し申し上げることになりますと、やはりたいへんな天下の一大事となるでしょう。なんとも悲しいことです、君の御ために奉公の忠節を尽そうとすれば、須弥山の頂上よりもはるかに高い父の恩を、たちまちに忘れることとなります。いたましいことに、不孝の罪をのがれようと思えば、君の御ためには、はや不忠の逆臣となりましょう。進退に窮しました。いずれを是とし、非とするか、判断がつきません。結局のところ、お願いすることは、この重盛の首をお召しください。(略)」

平家物語の中では、武装した人々と平服の重盛という描写、重盛の説く道理に圧倒される清盛の描写と続きます。

重盛は礼節を説き、その礼節に板挟みとなる自身の窮状を訴えます。天子への忠と、父への孝。それが相容れぬなら自分を殺してくださいと。

重盛は、その場にいる武士たちにも法住寺殿へ向かうのは自分の首がとんでからにするように言い置き、自身の小松殿へと帰りました。
さらに、重盛は実際に自身の館に兵を集め、父を上回ることで、父の戦意喪失までを図り、この騒動をおさめたのです。なんとも、鮮やかな手際です。

鹿の谷の事件のとき、清盛が後白河法皇を幽閉しようとしたかどうかは、他の資料には無いため定かではありません。史実で清盛が後白河法皇の幽閉を実行するのは、この2年後。治承三年(1179年)です。

この時重盛は、すでに亡くなった後でした。平家物語では、清盛を止めることができたのは重盛だけであった、という描写をしようとしたのでしょう。

いかがでしたでしょうか。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

【平家物語】徳子の懐妊と苦しみ【アニメ4話 びわが吟じた原文】

 

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