本を片手に京都をめぐる

【宮本輝 「春の夢】昭和を訪ねる読書

春の夢 宮本輝 文春文庫(1988年刊行) 大阪の中でも交通の便の悪い、さびれた地区。家賃7500円の、かび臭い部屋。壁と壁の間に露出している四寸角の柱。そこに、5センチ程の釘を打ち込む、22歳の主人公。 その釘で意図せず貫いてしまった蜥蜴...
京都のお寺・神社 

【北野天満宮】梅花咲き乱れる古社【丑年】

祭神は菅原道真、道真の長男中将殿、道真夫人、吉祥女。菅原道真の怨霊を鎮めるために建てられ、全国各地の天満宮・天神社の多くは当宮より勧請されました。 道真の死後、947年に、道真のお告げを受け、北野に祀ったとされ、987年初めて北野祭を行い「...
本を片手に京都をめぐる

【「清須会議」】信長の跡目争いもコミカルに【三谷幸喜】

「清須会議」 幻冬舎文庫 三谷幸喜 織田信長が本能寺の変にあう時点から始まるこのお話。信長亡き後の跡目争い「清須会議」を描き、登場人物の等身大の語りで物語が進む、臨場感あふれる小説です。 まるで、舞台の台本のような構成なのは、舞台・ドラマ・...
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本を片手に京都をめぐる

【芥川龍之介「六の宮の姫君」】自我無き姫君の生涯は【六孫王神社】

芥川龍之介が『今昔物語』の「六の宮」をもとに書いた短編小説。舞台は、京都。内裏からは南に少し下ったところ、現在の「六孫王神社」のある辺りが、六の宮と呼ばれていたようです。 芥川龍之介の作品は、著作権自体は切れていますので、概略からご紹介しま...
本を片手に京都をめぐる

【「枕草子」】宮廷を賢く風流に生き抜いた女性【清少納言】

春は曙、で始まるこの随筆。皆様、教科書で同じみですね。無理やり読まされていた学生時代、この随筆は自慢話に満ちていて、上から目線の美意識の教示をされているように感じていたことを覚えています。自分の興味で読んでいたわけではなっかったことで、私に...
京都の本屋・カフェ・ブックカフェ

【スマート珈琲店】戦前から守った珈琲と洋食

1932年(昭和7年)に創業した、自家焙煎珈琲を楽しめる、老舗喫茶店。 創業当時の洋食・喫茶店文化って? 以前、フランソア喫茶室の紹介記事でも触れていますが、1920年代、京都はカフェー全盛の時代でした。1911年に銀座にプランタン、カフェ...
本を片手に京都をめぐる

【「陰翳礼賛」】日本の美しさを再定義する【谷崎潤一郎】

「痴人の愛」や「細雪」で知られる明治時代~昭和時代の作家、谷崎潤一郎。小説には、数々の個性ある女性が登場します。彼の作品の特徴は、耽美的・マゾヒズム的・モダニズム的・悪魔主義などと表現されています。彼の作品に登場する女性は、確かにこれらの表...
京都のレトロ散策

【上羽絵惣 胡粉ネイル】京都の色をまとう

古文を習った際、出会ったであろう色の名前。紅色(べにいろ)、薄紅(うすくれない)、猩々緋(しょうじょうひ)、藤色、浅葱色(あさぎいろ)、縹色(はなだいろ)、銀鼠(ぎんねず)、濡羽色(ぬればいろ)、漆黒。なんて美しい情緒あふれる呼び名でしょう...
京都の本屋・カフェ・ブックカフェ

【イノダコーヒ本店】京都、烏丸御池でレトロ喫茶

イノダコーヒ本店 2020年6月で80周年を迎えたのだそうです。以前、ご紹介した、フランソア喫茶室同様、太平洋戦争戦前から、お店を構えていたのですね。 入口、入って左側には、待合スペース。使われてはいないようですが、レトロでお洒落な空間です...
京都のレトロ散策

【三条通り】明治レトロな建築とアンティーク雑貨

今回は京都・三条通りの明治以降に建てられた建物をご紹介しようと思います。京都にとっては、明治維新は昨日のよう、なんて極端な例えもありますが、まさにそんな100年も前に建てられた建物も、京都の街では少しおしゃれな日常使いの場所でした。 文椿ビ...
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